近年、製造現場においては、高精度な加工技術がますます求められています。従来の砥石では対応が難しい、硬脆材料や難削材の加工にも対応できる工具として注目を集めているのが「電着工具」です。本コラムでは、電着工具の特徴、種類、選び方、そして将来展望について解説します。
電着工具は、金属製の台金にダイヤモンドやCBNなどの超砥粒を電気メッキで固定した工具です。従来の砥粒を用いた工具と比較して、以下の利点を持ちます。
高い切れ味と耐摩耗性: 超砥粒が金属台金に直接固定されているため、従来の砥石よりも高い切れ味と耐摩耗性を誇ります。長時間の連続加工でも安定した加工性能を維持できます。
高い形状精度: 電着技術により、複雑な形状の工具を精密に製作することができます。従来の砥石では製作が困難だった、微細な形状や複雑な形状の加工にも対応できます。
長寿命: 高い切れ味と耐摩耗性により、従来の砥石よりも長寿命です。工具交換頻度が減ることで、ランニングコストの削減にもつながります。
安定した加工性能: 砥粒の摩耗が均一に進み、加工面の安定性が向上します。ばらつきを抑えることで、高品質な加工を実現できます。
電着工具には、主に以下の種類があります。
ダイヤモンドは、自然界で最も硬い物質として知られています。ダイヤモンド電着工具は、セラミックス、超硬合金、ガラスなどの硬脆材料の加工に適しています。
CBNは、ダイヤモンドに次ぐ硬度を持つ研削材です。CBN電着工具は、鉄鋼などの導電性材料の加工に適しています。
ダイヤモンドやCBN以外にも、アルミナなどの研削材を用いた電着工具も存在します。
電着工具を選ぶ際には、以下のポイントを考慮する必要がございます。
まず、加工する材料の種類や精度に応じて、砥粒の粒度や形状を選択する必要があります。
また、生産性の面でも加工時間やコストなどを考慮し、最適な形状とサイズを選択する必要があります。コストの面では工具の価格だけでなく、ランニングコストも考慮しましょう。
メーカーは様々ありますが、電着工具を生産しているKamogawaでは国内だけでも6営業所、海外にも拠点があり、高能率の製品からオーダーメイドまでお客様の用途に合わせた製品をスピーディーに提供してくれます。電着工具を取り扱いたい方はご参考にしてください。
電着工具は、従来の砥石では対応が難しい、高精度な加工を実現する革新的な工具です。今後、更なる進化が期待されており、製造現場における高精度加工技術の発展に大きく貢献していくでしょう。