水産業の発展と共に技術進化を遂げてきたのが舶用機器です。その中でもソナーの普及は漁業に大きな影響を与えました。大間のマグロ釣りですっかり有名になり、漁業関係者にはその存在が広く知れ渡っています。ソナーとは、音波によって物体を探知する装置です。
漁労用途としては、魚群探知機が船の真下を探知するのに対して周囲の方向を探知出来るものをソナーと呼んでいます。
海中に向けて超音波を発射し、その反射波を捉える事で目的の物体を探す仕組みとなっており、海中に存在する魚群をレーダー映像のように捉え、自分の船の位置を中心に前方、左右方向などの魚群の分布状況、密集度などを探知表示する事が出来ます。
ソナーの登場により、これまで経験と勘に頼って来た魚群探索が科学的な裏付けのもとで行われるようになりました。
ここ最近ではソナーも進化してきています。計測器メーカーであるソニックの2周波全周スキャニングソナーは、低周波で超遠距離を探知、高周波で高分解能表示のソナーがTWO in ONEになっており、1台分のスペースで装備が出来るだけではなく互いに影を作らず2台まとめて探知可能な仕組みとなっています。
進化したスタビライズ機能と画像処理機能で荒天でも魚群を安定的に表示させるだけではなく、新たに追加した魚群追尾機能と魚量表示機能により的確な魚群情報を提供します。
圧受けリング方式による安心で強靭な昇降装置と、ドーム構造による高いメンテナンス性、強靭性を確保した送受波器も特徴的です。
ソナーは漁家経営に大きなダメージを与えている昨今の燃油高騰への対策にも有効であるとされています。従来は2隻の探索船を使って探索していたものを燃油高騰により1隻での探索に転換すると、燃油消費量は激減しますが探索力は半分に落ちてしまいます。それを補うものとして利用されるのがソナーです。
探索力が昔のものよりも格段に向上しているため、ソナーを使って探索船を減らす事で探索力減退を補うだけではなくそれ以上の効果を発揮させ、省エネ操業にも役立っています。漁獲量増加だけではなく、省エネ機器としてソナーを用いるのも良いのではないでしょうか。
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